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2013年11月

2013年11月12日 (火)

ライナーズの選手・スタッフがメンタルトレーニング講習を受けました

11月11日(月)ライナーズの選手・スタッフが、ニュージーランド・オタゴ大学大学院博士課程在籍の田中 勝悟氏をお招きして、メンタルトレーニングの講習を受けました。

 

田中氏はニュージーランドでスーパーラグビーチームのオタゴハイランダーズに在籍する選手のサポートをハイランダーズ公認のもと行い、またオールブラックス(ニュージーランド代表)のメンタルトレーニングコーチとも交流があり、ラグビートップレベルのチームにてスポーツ心理学を学ばれています。

 

講習では、ライナーズ選手・スタッフの更なるメンタル面の強化を目的に、Choking(あがり)とその対処法・オールブラックスの強さの秘密・プレッシャーに打ち勝つ方法等、非常に貴重なお話しをしていただきました。

 

今回の講習を糧に、ライナーズ一同更なるレベルアップに努めて行きたいと思います。

ご多忙の中、田中講師ありがとうごいました!

 

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2013年11月11日 (月)

スコットランド代表戦にトンプソン ルーク選手が出場しました

11月9日(土)にエジンバラ・マレーフィールドで行われた「ラグビー日本代表 リポビタンDツアー2013」第1戦、対スコットランド代表に、トンプソン ルーク選手が出場しました。

 

17-42で日本代表が負けましたが、後半20分までは勝利を掴める内容でしたので、今後の日本代表の戦いに期待です。

 

引き続き、ヨーロッパ遠征でのトンプソン選手に温かい応援よろしくお願い致します。

 

試合結果はこちら

ヨーロッパ遠征スケジュールはこちら

トップアスリートによる「夢・授業」その3

夢授業シリーズ第3段は大阪市立茨田小学校です。参加した選手は、鄭、田邉、吉田、金、高の5選手。

先ずは自己紹介。

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パス、キック、コンタクトのデモンストレーションの後は、人気のラインアウトリフティング体験。

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パスの指導をする田邉選手。

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コンタクトを体験してもらいました。

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ラグビーボールを使って鬼ごっこ。

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近鉄ライナーズ伝統のバツゲーム「スタージャンプ」をする金選手と児童。

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給食を食べる高選手と児童。

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給食後にサインをして、楽しい時間は直ぐに終了しました。

「花園でまた皆に会えるのを楽しみにしています。」
田邉、鄭、吉田、金、高より。

トップアスリートによる「夢・授業」その2

11月6日(水)大阪市立新巽中学校で才田選手、村下選手、劉選手、島選手の4選手が「夢・授業」を行いました。

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島選手の「夢」についての講演

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村下選手の「夢」についての講演

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島選手、村下選手、才田選手、劉選手のラグビー指導。

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トップアスリートによる「夢・授業」その1

大阪市が主催するトップアスリートによる「夢・授業」を近鉄ライナーズの選手が行いました。
トップアスリート「夢・授業」はこちら→クリック

11月5日大阪市立東生野中学校の全校生徒に対し、卒業生であるライナーズの前田選手、松井選手が「夢」について講演致しました。

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全校生徒への講演後は、壇辻選手を中心にラグビー部への指導を行いました。

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2013年11月 8日 (金)

浜名湖サービスエリアで近鉄ライナーズの選手が普及イベントを行います

11月10日(日)浜名湖サービスエリアにおいて、近鉄ライナーズの選手とヤマハ発動機ジュビロの選手がラグビー普及イベントを開催します。

詳細はコチラをご覧下さい。⇒クリック

2013年11月 7日 (木)

スコットランド代表戦 日本代表 試合登録メンバーにトンプソン ルーク選手が選出されました

 11月9日(土)にエジンバラ・マレーフィールドで行われる「ラグビー日本代表リポビタンDツアー2013」第1戦、対スコットランド代表の試合登録メンバー23名に、トンプソン ルーク選手が選出されました。

 

詳しくはこちら 

スコットランド戦に臨むトンプソン選手へ、皆様の温かい応援宜しくお願い致します。

 

【トンプソン ルーク選手コメント】

 日本代表の試合に出場できるのは、とても喜ばしい事です。日本代表としてのプライドを持って、スコットランドのホームであるマレーフィールドでの試合を楽しみたいと思います。自分にとって今年初めてのスターティングメンバーでの出場となるので、少し緊張はしていますが楽しみです。

 

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2013年11月 5日 (火)

「ジャパンラグビートップリーグ2013-2014セカンドステージ」試合日程が決定しました

「ジャパンラグビートップリーグ2013-2014セカンドステージ」の日程が決定しました。

 

セカンドステージ開幕戦の対戦チームはNTTドコモレッドハリケーンズ!!

 ライナーズのセカンドステージ開幕戦は12月1日(日)NTTドコモレッドハリケーンズ戦で、

 12:00キックオフ ホーム・近鉄花園ラグビー場で行われます。

ホーム・近鉄花園ラグビー場では、計4試合を予定しております。

セカンドステージでも、サポーターの皆様の「熱い」応援宜しくお願い致します!

 

トップリーグオフィシャルサイト試合日程はこちら

2013-2014シーズンからのトップリーグ大会方式はこちら

 

近鉄ライナーズ セカンドステージ日程

日 時 対戦相手・場所
【第1節】
12月1日(日)
12:00 キックオフ
NTTドコモレッドハリケーンズ
近鉄花園ラグビー場(大阪)
【第2節】
12月7日(土)
12:00 キックオフ
豊田自動織機シャトルズ
近鉄花園ラグビー場(大阪)
【第3節】
12月15日(日)
14:15 キックオフ
九州電力キューデンヴォルテクス
西京極総合運動公園陸上競技場兼球技場(京都)
【第4節】
12月22日(日)
13:00 キックオフ
リコーブラックラムズ
フクダ電子アリーナ(千葉)
【第5節】
1月5日(日)
12:00 キックオフ
コカ・コーラウエストレッドスパークス
レベルファイブスタジアム(福岡)
【第6節】
1月11日(土)
12:00 キックオフ
クボタスピアーズ
近鉄花園ラグビー場(大阪)
【第7節】
1月18日(土)
14:00 キックオフ
NTTコミュニケーションズシャイニングアークス
近鉄花園ラグビー場(大阪)

ニュージーランド代表戦にトンプソン ルーク選手が出場しました

11月2日(土)に東京・秩父宮ラグビー場で行われた「リポビタンDチャレンジカップ2013」日本代表VSニュージーランド代表(オールブラックス)に、トンプソン ルーク選手が日本代表として出場しました。

 

後半25分からの出場でしたが、いぶし銀のプレーを随所に見せていました。

 

試合は6-54で日本代表が負けました。

日本代表は敗戦の中にも、オールブラックスを相手に相手ボール・スクラムを押し込んで奪いとったり、ラインアウトを連続して確保したりとセットプレーでは安定感ある戦いを、またディフェンスでも粘り強いところを随所に見せてくれました。

まだまだ進化していきそうな...これからも期待が持てる日本代表の戦いぶりでした。

 

試合結果は こちら

日本代表ヨーロッパ遠征スケジュールはこちら 

【トンプソン選手コメント】

 名誉あるオールブラックス戦に、近鉄ライナーズの代表として、日本の代表としてグラウンドに立てた事を誇りに思います。

試合の結果は残念でしたが、日本代表はここ数十年では味わう事ができなかった貴重な経験ができたと思います。非常にポジティブな事です。

この経験を生かし、これからのヨーロッパ遠征に臨みたいと思います。

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(写真:石坪 隼)

 

日本代表のトンプソン選手へ、引き続き、皆様の温かい応援宜しくお願い致します!

よしもとラグビー新喜劇2013にタウファ選手・成選手が出演しました

11月1日(金)に公演された「~オールブラックス戦 前夜スペシャル!~よしもとラグビー新喜劇2013」にタウファ 統悦選手・成 昂徳選手が特別ゲストとして出演しました。

 

 公演当日、なんばグランド花月は笑いの渦に包まれていました。

 

【タウファ選手コメント】

 初めてのよしもとの舞台、かなり緊張しました。

大きくスベる事がなく、よかったです(笑)

よしもと芸人の皆様は本当に笑いのプロフェッショナルでした。あと親切さ・礼儀正しさには感心しました。

 

【成選手コメント】

 貴重な経験ありがとうございました!

統悦がすべりまくっていたので、笑いに変えるフォローが大変でした。

将来、ラグビーを引退したら、お笑いの道に進んでいきたいと思います(笑)

 

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2013年11月 1日 (金)

ジャパンラグビートップリーグ2013-2014 ファーストステージを終えて

 いつもご声援いただき、心より感謝申し上げます。

 残念ながらセカンドステージ上位グループ(グループA)入りはできませんでした。
セカンドステージでは、持てる力を発揮できるよう、このウインドウマンス(トップリーグ休止期間)を大切に過ごし、精進したいと思っております。
 セカンドステージでは、近鉄ライナーズの意地とプライドをみせれるように努力していきます。
 引き続き、近鉄ライナーズへのご声援宜しくお願い申し上げます。

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近鉄ライナーズ
 監督 前田 隆介

トップリーグ 1stステージ 第7節 東芝戦レポート

 ファーストステージ最終節も近鉄ライナーズは僅差の負けだった。
 10月27日、プールB第7節、東芝ブレイブルーパスとの戦いは19-22の3点差で敗れた。
 6位。勝ち点13で前半戦を終了した。

 プールB最終順位

1位 パナソニック 28
2位 ヤマハ 25
3位 東芝 23
4位 キヤノン 20
5位 クボタ 20
6位 ライナーズ 13
7位 リコー 9
8位 コカ・コーラ 6

(数字は勝ち点、4、5位は得失点差による)

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 前日26日、キヤノンイーグルスがヤマハ発動機ジュビロを28-18、クボタスピアーズがコカ・コーラウエストレッドスパークスを30-26でそれぞれ破り、勝ち点20とした。
 ライナーズは東芝に勝利して、4トライ以上獲得のボーナスポイントを含む勝ち点5を挙げても、2チームを上回れない。最終戦を待たずして、セカンドステージ上位のグループA入りの望みは絶たれていた。かたや東芝は勝ち点19。トップ4に入るためにはポイントを挙げねばならなかった。両チームには試合の動機づけに非常に大きな差があった。

 にもかかわらず、後半38分まで19-19の同点だった。最後は自陣ゴール前のラインオフサイドでPGを決められたが、接戦に持ち込んだ。
 「やればできる」。「やればできる」
 約100人のライナーズサポーターの声援がスタンドにこだました。大阪・上本町から応援バス2台で約3時間をかけ、鳥取・コカ・コーラウエストスポーツパーク陸上競技場に集まった人々の思いである。

 試合前、ライナーズ監督、前田隆介はミーティングで短く言い放った。
「気持ちを入れてやれ。お世話になっている人々を思いやれ」
 その檄に、スタメン今季初のベテランと同2試合目の若手が奮い立った。

 右PRに入ったのはライナーズ8年目、30歳の成昂徳(そん・あんどっ)だ。前田は試合の週の練習前にFWに言った。
「次の試合のメンバーは練習を見て決める」
 試合の前週を含め2週間、動きに熱のこもっていた成が選ばれた。
 定評のあるスクラムでは力強さで、後半3分、ターンオーバーした。左PR田邉篤、HO樫本敦が右内側に押し込む。相手フロントローが割れた瞬間、一気に177センチ、110キロの体を左内側に食い込ませた。
 東芝のHO湯原祐希は日本代表キャップ11、右PR浅原拓真は同5。ライナーズの3人はノンキャップ。ジャパンに組み勝ち、ボール奪取した。
 スクラムコーチ兼アナリストの阿部仁は解説する。
「成が田邉たちと同じ方向に押していたらボールは獲れていない。内側に入ったベテランの判断。さすが」
 力の矢印を変えなければ、ノットインから再スクラムの可能性もあった。

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 8対8の押し合いだけではない。後半8分には4フェイズを重ねた東芝アタックのこぼれ球を素早くセービングして、マイボールに変えた。俊敏さやスタミナをも内包する。

 成は第一声を放つ。
「この年齢になっても緊張してしまった。でも自分にとってはいい緊張だった。選んでもらえたことに感謝している」
 帝京大学の後輩、2年目の前田龍佑や同志社大学出身の3年目、才田修二に出場機会を奪われていたが、諦めてはいなかった。
 個人練習では15メートル四方に色違いのマーカーを置き、各マーカーにタッチしてからタックルバッグに入る、反応や左右の動きを速めるメニューを30分近くこなした。希望を捨てない取り組みがあった。

 精神的な支えもある。
 試合5日前の22日、大阪朝鮮高級学校時代に教えを受けた、呉英吉(お・よんぎる)から久しぶりに電話をもらった。
「元気にしているか?と。気にかけてもらっているのが分かった。うれしかった」
 ラグビー部監督として大阪朝高を全国4強に2回導いた呉は理由を話す。
「最近、試合に出てなかったようだし、少し心配になって電話した。試合に出ることになってよろこんでいた。初心に戻って朝高に練習を見に来い、とも言った。高校時代はキャプテンで、リーダーシップもあり、陰で努力するタイプ。これからもがんばってほしい」
 恩師からの携帯を通じた励ましは心に残った。

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 ベテランの代表格が成なら、進化する若手は近畿大学から入社2年目のWTB島直良である。背番号14をつけ東芝戦に出場した。
 島にとっては9月7日、リーグ第2節のクボタ戦に続き今季2回目の先発。前回は17-22でチームは負けた。島自身もハードタックルを受けるなど精彩を欠いた。
 50日後、島には積極さが備わっていた。
 前半24分、CTB森田尚希がタッチライン際に流れると見るや、瞬時にクロス。内側に入り、ボールをFWに返し、リサイクルした。同33分、12-12と追いついたWTB松井寛将の同点トライでは、一連のフェイズの中でCTB森田からボールを受け、ポイントを作りに行っている。
 島は、はにかみながら早口で話す。
「ああいうプレーを目指している。ボールタッチの回数を多くして、右左のポジションに関係なくボールに絡んでいきたい」

 島は23日の試合形式の練習時、バックスリーを形成したFB髙忠伸に怒られた。リザーブだったリコ・ギアのグラウンドへの進入を見て、島はすぐに外に出ようとした。
「なぜ交替要員として名前を呼ばれていないのに、自分から替ろうとするのか。お前は少しでもプレー時間を長くすることだけを考えればいい」
 逆サイドのWTBは近大7学年上の松井。ギアはニュージーランド代表キャップ19を持つ。島は長幼や肩書に配慮して、自ら交替しようとした。前主将は、それは間違いだ、と諭す。グラウンド内では先輩後輩や経歴は関係ない。礼儀はグラウンド外で尽くせばいいのであって、練習や試合はパフォーマンスにのみ集中すべきだ、ということを教えた。

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 4日後、島は大外の位置からボールを貪欲に追いかける。
 敗戦に沈んだ髙も島の話では口角が上がり、目じりは下る。
「今日はよかった。積極的に行っていた。一つ成長してくれたと思う。彼の問題は性格的なもの。そこに気づいて変えていかないといけない。スピードなど持っている能力はずば抜けているのだから」
 東芝戦後、アフターマッチファンクションの席で、日本代表主将でキャップ15を持つWTB廣瀬俊朗に初対面にもかかわらず、あいさつを交え、ブラインドサイドに立った時の動きなどを教えてもらっている。
 自立心が根付きつつある。

 ベテランの奮起、若手の成長。
 ファーストステージの最後に、明るい兆しが見えた。
 セカンドステージは光度をさらに高めて行きたい。

 そのためにも、ここまでの戦いの検証は必要だろう。
 プールBの戦績は2勝5敗だった。

●0-46 パナソニック
●17-22 クボタ
○34-14 コカ・コーラ
●17-18 キヤノン
○35-19 リコー
●17-26 ヤマハ
●19-22 東芝

 5敗の中、46失点のパナソニック戦を除けば、4敗の最大点差は9。わずかな差だ。ではなぜ競った試合を落としてしまったのか。
 それは、ラグビーをできるよろこびを感じきれてないからではないか。
 付け加えるなら、ライナーズで、そして近鉄花園ラグビー場でプレーできる幸せである。
 わずかな得点差による敗戦は戦術や戦略に起因するものではない。ライナーズの選手たちの心の持ちようなのではないか。

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 スポーツニッポン新聞社大阪本社に野球記者、内田雅也がいる。内田はスポニチ3面に阪神タイガースの連載コラム「追球 2013」を書いている。
 今春3月14日付のテーマは「よろこびを力にする」だった。

 前日、甲子園球場でのオープン戦先発は、プロ3年目の阪神・岩本輝と新人のヤクルト・小川泰弘だった。この日、岩本は4回7安打4失点。小川は5回3安打0封の内容だった。
 内田は若手2右腕の成功と失敗について推論をする。
「それは喜びではないか。感動といってもいい。(中略)甲子園である。甲子園で投げられる喜びが(小川から)伝わってきた」
 小川は愛知・成章高校3年春の2008年3月、21世紀枠で第80回選抜大会に出場した。それから1813日目のマウンドだった。かたや岩本にはホーム球場。ファーム戦でも登板機会はあった。そこに感動はない。
 原稿の場面は変わる。メジャーリーグ投手の亡き伊良部秀輝が、牛島和彦(現野球評論家)に教えを乞うた話を掲載する。
「まず野球に対して、(伊良部自身が)どのような姿勢、考え方で取り組むのか、ということを整理するところから始めた」
 牛島のコーチングで伊良部は日米通算106勝を挙げる投手になった。
 そして内田の文章は続く。
「野球が人間的、精神的なスポーツであることは論を待たない。あくまでも見た目の印象だが、小川には夢や感動が、岩本からは重圧を感じた」
 小川は今季16勝を挙げた。新人王は確実だ。一方、岩本の今季の一軍登板は1試合に終わった。

 内田の「野球が人間的」という部分は「ラグビーが」に置き換えられる。
「なぜラグビーをやっているのか」
「なぜライナーズにいるのか」
「なぜ花園があるのか」
 選手個々の根本にあるのは、内田の書くプレーするよろこびだろう。楽しさといっていい。
 楽しいから、続けてきた。
 楽しいから、苦しい事にも取り組める。
 楽しいから、達成感が強い。
 選手たちの身分は近鉄本社、グループ会社社員、プロ契約選手など様々だ。しかし、この思いは選手全員が等しく持っているはずである。

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 選手たちの理屈を抜いた感情が溶け合い、勝負にこだわるために存在するのが、日本で最高峰のトップリーグ16チームに所属するライナーズなのである。
 創部は1929(昭和4)年。神戸製鋼コベルコスティーラーズの創部、1928年に1年遅れをとっているが、トップリーグでは2番目に古い部史を持つ。85年間で日本選手権優勝3回、全国社会人大会8回を記録する。
 ライナーズが特別視されるのは、日本で唯一、収容人数3万を誇るラグビー専用の近鉄花園ラグビー場を持つからである。そこはラグビーを選んだ全国の高校生にとって甲子園と同等の聖地であり続けている。

 ラグビーを国内最高峰で、ライナーズで、花園でできるのだ。
 どれだけ多くのラグビー経験者がトップリーグで、日本一のグラウンドで、楕円球を追いかける夢を持ちながら、そこから遠ざかって行ったかを考えたことがあるだろうか。
 その上で、自分自身を内省し、誓い新たに、幸福感を持ってラグビーに取り組むことこそが、道半ばでチームを去ったFL中井太喜の志(こころざし)を継承することではないだろうか。
 ライナーズの選手たちは、君たちは生きている。
 感じ、考え、行動できる。

 リーグ戦再開は11月30日。
 自分と向き合う時間は十分にある。

 ラグビーを始めた時の気持ちを思い出そう。
 ラグビーは楽しい。

 (本文敬称略)

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(文:スポーツライター 鎮 勝也)
(写真:加守 理祐)


【前田監督からサポーターの皆様へ】
 鳥取のスタジアムまで応援に来ていただいたサポーターの皆様に感謝しております。
順位に影響のない試合に対し、遠くまで応援に駆けつけて頂いたサポーターの皆様にライナーズの意地とプライドをみせようと挑みました。
立ち上がり15分は、また最悪の状況でしたが、何とか1T1G差で前半を乗り切り、後半7点差を追いかけましたが、またしても勝負どころでのミスとペナルティーにより、3点差を乗り越えることができませんでした。
まだシーズンは続きますので、最後の最後まで近鉄ライナーズの意地とプライドをみせれるように取組んでいきます。
引き続き、ご声援の程宜しくお願い申し上げます。

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