トップリーグ ワイルドカードトーナメント2回戦 トヨタ自動車戦レポート
トップリーグワイルドカードトーナメント2回戦
ホーム・近鉄花園ラグビー場。
相手はセカンドステージ グループA(上位グループ)6位のトヨタ自動車ヴェルブリッツ。
フォワードに大型選手が揃い、肉弾戦に自信を持つチームです。
朝にはグラウンド一面の雪化粧だった花園ラグビー場ですが、関係者の懸命の雪かきによって、キックオフ前には緑の芝生がほぼ全面に映えるグラウンドになりました。
「感謝」の一言に尽きます。
冷たい「生駒おろし」が吹き降ろす花園ラグビー場。
グラウンドに少しだけ残った雪をも溶かすような「WE ARE LINERS!」の熱いコールが会場に響き渡ります。
この1戦、勝利すれば日本選手権進出です。
トヨタ自動車のキックオフで試合が開始されます。
立ち上がりから風上にたった近鉄はキックを有効に使い、敵陣深くまで攻め込みます。
しかし、敵陣5mでのスクラムが安定しなかったりと、スコアに結べ繋げません。
近鉄はアグレッシブにボールを動かし攻め続けます。
すると8分、トヨタがたまらず反則を犯します。
ほぼハーフラインからの位置、10番重光がペナルティゴールを狙います。
「入れ!」のコールで後押しされ距離は十分でしたが、左にそれます。
近鉄はアグレッシブにフォワードとバックスが一体となって攻め続けますが、トヨタの反則ギリギリの早いプレッシャー・ブレイクダウンで悉くチャンスを潰されます。
トヨタがワンチャンスをものにします。
23分、トヨタ陣10mで近鉄がオーバーザトップの反則、トヨタ9番滑川が速攻で大きく近鉄陣にキック、ラック後近鉄がタッチキック。22mと5mの中間トヨタボールラインアウト、キャッチ後モールを形成、一旦近鉄フォワードが押し返しますがトヨタフォワードがしっかりとバインドし芯の強いモールでじわり、じわりと近鉄ゴールラインに接近、最後はなだれ込むような形で6番ホップグッドがトライ。ゴールも決まり、0-7。
その後近鉄は、風上を利用して再三敵陣深くまで攻め込みますが、ラインアウトのミスなどでスコアできません。もどかしい時間帯が続きます。
41分、近鉄に前半最後のスコアチャンスがやってきます。
トヨタがオフサイドの反則、約30mの位置から10番重光が狙います。惜しくも右に外れます。
前半近鉄は風上を生かしきれず、無得点で終了します。
風下の後半、劣勢が予想されます。
10番重光のキックオフで試合が再開されます。
後半開始早々、キック処理ミスなどで自陣深くまで攻め込まれますが、6番トンプソンの体を張ったプレー、12番吉川選手の出足の良い低いタックルでピンチを救います。ディフェンスの集中力を切りません。
14分、ようやく近鉄にスコアのチャンスが訪れます。
敵陣10m付近マイボールスクラム、バックスに展開し10番重光から12番吉川に絶妙のパス、受けた吉川が22m付近までゲインしラック、すぐに途中交替の20番サモがボールを拾い上げ更にゲイン、鋭くテンポの良い近鉄のアタックをうけてトヨタがたまらずオフサイドの反則。
ほぼ正面のペナルティキックを15番髙が決め、3-7。
ようやくトヨタから得点を獲ります。
点差を縮めたい近鉄でしたが、圧倒的風下と、トヨタディフェンスの反則ギリギリの早いプレシャーでなかなか自陣から抜け出せません。
21分、巨漢トヨタフォワードの連続した縦攻撃のあと、倒れこみの反則。トヨタ10番文字がペナルティゴールを決め、3-10。
近鉄はスコアを獲る為、アグレッシブに攻め続けます。
23分、トヨタ16番彦坂が危険なタックルで10分間のシンビン。
その後、近鉄がトヨタ陣深くへ蹴り込んだボールをトヨタ選手が故意に手でタッチに出し、反則。
近鉄は敵陣5mのスクラムを選択、シンビン中の為トヨタフォワードは1人少ない7人のスクラム。スコアを追加する「最大」のチャンスです。
しかし、そのスクラムをトヨタにコントロールされ、苦し紛れにサイド攻撃した後、ノットリリースザボールの反則。チャンスを逃します。
残り時間もあとわずか。
近鉄は自陣から「日本選手権進出」の為、アグレッシブに攻め続けます。
しかし32分、トヨタにボールうまく繋がれ最後はトヨタ6番ホップグッド選手が走り抜け左中間にトライ。その後のゴールは失敗で、3-15。
勢いのついたトヨタの波状攻撃が始まります。近鉄も懸命のディフェンスで対抗しますが、自陣ゴール前でオフサイド。36分、トヨタ10番文字がペナルティキックを決め、3-18。
ホーム近鉄花園ラグビー場、サポーターの大声援を受け近鉄は最後まで諦めずアグレッシブに攻め続けます。
試合終了を知らせるホーン。無情のホイッスル。
2013-2014の近鉄ライナーズのシーズンは終了しました。
雨の日も、強い風の日も、遠い遠征の地でも、そして開催自体が危ぶまれたこの日も、常に「熱い」声援でホームの雰囲気にしていただいたサポーターの皆様。「感謝」の言葉しか思い浮かびません。
今シーズンも、最後まで「熱い」ご声援ありがとうございました!
(本文敬称略)
【前田監督からサポーターの皆様へ】
本日も積雪が残る寒い中会場までお越しいただき、またシーズン通して「熱い」ご声援を送り続けていただいたサポーターの皆様に心より感謝申し上げます。
本日のゲームは、スコアゾーンで継続できずトライを獲りきれなかった事、ブレイクダウンでプレッシャーをうけテンポ良くボールを出せなかった事が敗因です。
シーズン通してチームを支えてくれたライナーズのスタッフ、体を張り続けてくらた選手にも深く感謝致します。
(写真:加守 理祐)