トップリーグ2ndステージ第7節 NTTコミュニケーションズ戦レポート
トップリーグ2ndステージ最終節
前節に引き続き、ホーム・近鉄花園ラグビー場。
相手は昨シーズン12節、10-13で惜敗したNTTコミュニケーションズシャイニングアークス。
勝てば日本選手権出場をかけたワイルドカードトーナメント進出、負ければ入替戦へ。
「絶対に負けられない試合」
スタンドのいたる所から聞こえるライナーズ愛の「檄」、会場に響く「WE ARE LINERS!」のコール、燃えずにはいられません。
意を決して攻撃的に戦う姿勢が、「らしさ」が、そこにはありました。
近鉄15番髙のキックオフで試合が開始されました。
この日はスタンドオフの先発に坂本。
今シーズン初スタメンの吉川がセンターに入ります。
立ち上がりからアグレッシブな近鉄ペースで試合が流れます。
しかし3分、敵陣22m付近で10番坂本のパスをNTTコムの5番ロスがインターセプト、約80mを独走しトライ。ゴールも決まり、0-7。
そんなトライにも今日の近鉄は動じませんでした。
すぐにアグレッシブに反撃します。
ゴール前中央のペナルティキックをもらいますが、ゴールは狙わずタッチキックを選択し、ラインアウトからトライを狙いにいきます。
9分、敵陣ゴール前で7番タウファ・3番才田らが執拗にショートサイドを突き前進、10番坂本が左ラインから右へスピードよく逆サイドをつき、ゴールライン寸前でラック、そのボールを9番金が素早く捌きサイドを駆け上がってきた6番トンプソンにパスしそのままトライ。15番髙のゴールも決まり、7-7。すぐに追いつきます。
その後、敵陣深くでペナルティキックをもらいますが、再びゴールは狙わずタッチに蹴りだし、ラインアウトを選択。モールを押し込みトライを狙います、オブストラクションの反則や細かいミスはありますが、近鉄はアグレッシブにトライを狙い続けます。この時点で完全に相手より気迫で勝ってます。
17分、敵陣22m付近でNTTコム選手がノックオン、そのボール確保しすぐにアタック、15番髙の鋭いラン、8番佐藤の地を這うような突進、4番ホッキングスの重戦車のような迫力のレッグドライブ、11フェイズを重ね、最後は10番坂本がNTTコムのディフェンスが薄くなったショートサイドを突き、体を1回転させトライ。その後のゴールを15番髙がきっちり決め、14-7。
近鉄のアグレッシブなアタックが止まりません。
33分、敵陣ゴール前でペナルティキックをもらいますが、またもゴールは狙わずタップキックから6番トンプソンが突進、7フェイズを重ねバックスに大きく展開、15番髙が内に鋭く切れこみゴールライン直前でラック、その後9番金が素早くパスアウトし、そこに走り込んできた松岡が豪快に前進し最後は右手を大きく伸ばしてトライ。その後の15番髙のゴールキックも決まり、21-7。
このスコアのまま前半を終了します。
前半から近鉄は「アグレッシブ リバイブ」を体現し、
個のフィジカルやブレイクダウンでNTTコムを圧倒しました。
後半開始早々から近鉄は勢いにのります。
2分、敵陣10mマイボールラインアウト、キャッチ後パスを受けた9番金が中央の密集を抜け5番松岡にパス、そのままゲインしラック、勢いよく走ってきた1番豊田がパスを受け前進しラック、その後バックスへ展開、10番坂本→12番吉川→13番フェアバンクスに繋ぎキレのあるショートステップでディフェンダーの裏に抜けすぐに外の15番髙にパス、そのままのいいスピードでイン・アウトしすごいスピードで走り込んできた外の14番南藤にパス、そのまま走りぬけ中央にトライ。南藤のうれしい公式戦初トライです。その後のゴールも決まり、28-7。
その後、自陣深くまで攻めこまれますが、闘志ある前に出る固いディフェンスでNTTコムにゴールラインを割らせません。
すると「ミスター近鉄」が魅せます。
23分、自陣10m付近フリーキックをタップキックですぐにアタックし、左に大きくバックスへ展開、ラック後次は右にバックス展開一度12番吉川が上体を低くしてグイっと前進、ラックから狭いサイドにパスアウト、10番坂本からパスを受けた「ミスター近鉄」こと8番佐藤が、揃っているディフェンスの自分の対面の選手を外にワンステップで抜きラインブレイク、好フォローの23番ギアに内返しパスし、そのまま走りきりトライ。15番髙が5回連続でゴールキックを決め、35-7。
NTTコムも25分、トライとゴールを決め、35-14と反撃します。
すぐに近鉄は敵陣でペナルティキックをもらいます。今回はゴール狙います。
キッカーはここまでゴールキックをパーフェクトに決めている15番髙。
難なくと6回目のゴールキックを決め、38-14。
このスコアのままノーサイド。
日本選手権出場をかけたワイルドカードトーナメントへ進出が決定。
前半・後半通して13番フェアバンクスの攻守でのワークレートの高さ、相手の攻撃の芽を悉く潰した12番吉川の地を這うような低いタックルには目を見張るものがありました。
チーム全員で切り拓いた道。
ワイルドカード1回戦は1stステージ第4節で17-18と苦杯を喫したキヤノンイーグルス。
ここまでの道程、決して順風満帆ではなかった近鉄。
その都度、「リバイブ」(生き返る)してきました。
もうあの頃の近鉄ではありません。
(本文敬称略)
【マン・オブ・ザ・マッチに選ばれた 髙 忠伸選手】
まずは勝てた事が良かったです。
近鉄のブレイクダウンが非常に良かった。後ろから見ていて、頼もしいくらいでした。
今季初スタメンの吉川もアグレッシブなディフェンスを連発していました。
次の試合も近鉄メンバーからこの賞をいただけるよう、チーム一丸勝ちに行きます!
【前田監督からサポーターの皆様へ】
大変寒い中、たくさんのサポーターの皆様にご声援をいただいた事、御礼申し上げます。
前半はもっと得点をとれる筈のゲーム展開でしたが、最後まで仕留めきれない事が大きな反省点です。
シーズンは続きます、ワイルドカードトーナメントで目指すラグビーを更に求めていきたいです。
引き続きご声援の程、宜しくお願い申し上げます。
(写真:加守 理祐)