トップリーグ2ndステージ第2節 豊田自動織機戦レポート
トップリーグセカンドステージ第2節、前節同様、晴天のホーム近鉄花園ラグビー場。
ただ、トップリーグ運営上の関係でビジター扱いとなります。
メインスタンドから向かって、バックスタンド右側に陣取るライナーズサポーター。いつもと見慣れない光景。ただ、大きく左右に振られるいくつものライナーズ旗は、いつもの「熱い」光景です。
豊田自動織機のキックオフで試合がスタートしました。
開始早々、近鉄に得点チャンスが訪れます。
3分 敵陣22m手前で織機がオフザゲートの反則。
10番重光がペナルティゴールを狙います。しかし右に外れます。
その後、8番サモ・15番髙などの突破でチャンスを作りますが、ノックオンやダイレクトタッチで中々波に乗れません。
12分 敵陣10m付近 織機ボールスクラム、9番のボールインと同時に、近鉄フォワード8人が一つになって猛プッシュ、織機の反則を誘います。
10番重光がペナルティゴールを狙います。今度はきっちり決め、3-0。
先制します。
17分 敵陣でテンポ良く攻撃する近鉄ですが、バックス展開中にパスミス、こぼれたボールを織機選手にキックされ自陣22m付近まで大きく後退。タッチに出たボールを織機がクイックスローですぐにプレーを継続、隙を突かれた状態で自陣深くまでゲインされます。最後は自陣5mで出来たラックから素早く球出しされ、織機1番浪岡がサイドを抜けトライ。ゴールも決まり、3-7。
近鉄の気の緩みが招いたトライです。
23分 ハーフライン付近 織機ボールラインアウト、ボールを獲得後ワイドに右・左と展開、織機11番朝見が裏にキック、転がったボールは楕円球特有の自由奔放な動きをし、キックした朝見選手の胸に、そのまま独走し左中間にトライ。ゴールは外れ、3-12。
早くトライがほしい近鉄です。
32分 織機がキックしたボールをハーフライン付近で15番髙がキャッチし果敢にアタック、その後11番松井の突進などでジリジリ前進、計15フェイズを重ね、最後は華麗なバックスのパス回し後、2番樫本がパスダミーをしてギャップ突き、抜け、トライ。その後のゴールも決まって、10-12。2点差に詰め寄ります。
このまま勢いに乗りたい近鉄でしたが、36分 ゴール前のピンチで11番松井のオフサイドが故意の反則と取られイエローカード、ハーフタイムを挟んで10分間の一時退場となります。嫌な空気が漂います。
このまま前半は終了します。
後半、10番重光のキックオフで試合が再開されます。
2分 敵陣10m付近 近鉄ボールラインアウト、キャッチ後バックスに展開、この試合ゲームキャプテンを務める13番森田が鋭く内に切り込み、1人目を弾き飛ばし、2人・3人目をハンドオフで払い退け、4人目をステップで抜き去り、ゴールライン直前でラック、素早く9番金がバックスにパスアウトし、10番重光が一人飛ばして15番髙にパス、そのまま左中間にトライ。その後のゴールは決まらず、15-10。
イエローカードで1人少ない状況の中で、後半早々に逆転します。
しかし、織機の反撃をすぐに受けます。
4分 自陣22mラックから9番金が10番重光にパス、重光がタッチに蹴ろうしたボールが、織機7番韋にキックチャージされ、そのまま韋が拾ってトライ。その後のゴールも決まって、15-19。すぐに逆転されます。
近鉄も反撃を試みますが、全くリズムが掴めません。
逆に織機が完全に波に乗り、11分、16分に立て続けにトライされ、27分にはペナルティゴールを決められ、15-36。
その後も織機の勢いを止められず、30分、34分とトライを重ねられ、15-50。
この時点で、現実的に逆転は不可能な点差となります。
リーグ戦、ボーナス点が最終順位に大きな影響を与えます。
4トライ以上のボーナス点1まで、あと2トライ。
残り3分。
近鉄が「REVIVE」します。
37分 敵陣22m、スクラムの反則で得たボールを21番森がタップキックで速攻をしかけます。パスを受けた4番トンプソンがスピンをいれながら、スルスルとゲインします。そのあとパスミスかと思われたボールを6番佐藤が反応良く拾い、22番吉田にリップパスでそのままトライ。
あと1トライ。
試合終了を知らせるホーンが鳴った、40分。
近鉄は積極的に自陣深くから攻めます。
途中交替の20番ラトゥイラのスピードあるランから大きくゲイン。その後10番重光の内返しパスを、元オールブラックの23番ギアが凄いスピードで受け取り裏に抜け、1人弾き飛ばし、そのあと5人を払い退け、トライ。この日一番の大歓声が沸きます。
最終スコアは、29-50。 何とか4トライ以上のボーナス点1を獲得。
後半大きく開いた点差の状況でも、スタンドに残り、変わらず「熱い」声援を送り続けたサポーター。
試合後、スタンドに一礼に行く選手へ惜しみなく温かい拍手をスタンディングで送り続けたサポーター。
そんなサポーターに我々近鉄ライナーズ一同は、応えなければならない。
まさにこれからが「REVIVE」の真価が問われる時である。
(本文敬称略)
【前田監督からサポーターの皆様へ】
前節に引き続き、たくさんのサポーターの皆様に試合会場に来て頂いた事、感謝申し上げます。
ゲーム内容は、ライナーズが目指すものとは程遠いものでした。
次節は全身全霊で、「REVIVE」を体現したいと思います。
(写真:加守 理祐)