サントリーサンゴリアス戦レポート
第10節は、秩父宮ラグビー場で、サントリーサンゴリアスと対戦しました。この試合は、今季初先発のフィリと吉川、初メンバー入りした新人の中井がどのような働きをして、昨季の日本選手権王者サントリーからいかにして勝利をもぎ取ることが出来るかが注目の一戦です。
SOフィリのキックオフで始まったこの試合は、自陣から積極的にボールを回しリズムを作ろうとするサントリーの選手のパスをCTBイエロメがうまく奪い、ライナーズにいきなりチャンスが訪れます。ゴール前中央に出来たラックからSH金が素早くパスアウトし、SOフィリからその内側に走りこんできたFL大隈にパスが通りラインブレイク、インゴールに飛び込みました。しかし、サントリーの9番・6番の選手に挟み込まれグラウディングできず、トライとなりませんでした。
対して、サントリーは、前半4分にキックボールのカウンターアタックから左に展開し、最後は11番が押さえて、トライを奪って0-5。ゴールが決まり、0-7。
その後、両チームは激しいブレイクダウンを繰り返し、一進一退の攻防が続きますが、近鉄はノックオン等のミスが多く、なかなかリズムを作ることが出来ません。
前半16分には、近鉄がゴール前正面38m付近の位置でペナルティーを得て、SOフィリがペナルティーゴールを狙いますが、ゴールポストに当たり得点ならず。
また、前半22分には、サントリーボールのラインアウトをスティールし、右に展開。CTBイエロメがラインブレイクし、インゴールにボールを蹴り込みWTB坂本がボールを押さえたが惜しくもわずかにデッドボールラインを超えてしまいまたしても得点ならず。ドロップアウト。再三の得点チャンスを生かすことができません。
一方、サントリーは、前半24分にカウンターアタックから素早い攻撃を仕掛け、再び11番が左端に飛び込みトライ。得点を重ねます。
その後もライナーズは、サントリーのスピードのある選手と人に強い選手を織り交ぜた攻撃にデフェンスが対応できず前半29分、32分、39分と続けてトライを奪われ、0-31と大差をつけられて前半を終了します。
後半は、前半の悪い流れを断ち切るため、吉川、イエロメに代えて重光・ギアを投入。ふたりが両センターに入り攻撃の幅を広げ立て直しを図ります。
後半開始3分で早速チャンスが訪れます。FB髙のカウンターアタックから右オープンに展開、センターの位置に入った重光がオフロードでギアにパスを通し、ラインブレイクしたギアからSH金にパスを送り、ライナーズはこの日始めてのトライを決めて5-31。重光のゴールも決まり7-31。今季初の秩父宮ラグビー場で反撃の狼煙を上げた。
後半10分には、サントリーの激しい連続攻撃をライナーズが耐えて、ミスを誘いそのこぼれ球をギアがうまくひろい約70mを独走。中央にトライを決めて12-31。ゴールも決まり14-31。
しかし、後半14分に自陣の中央付近から攻撃を仕掛け、再び重光のオフロードパスがとおり、PR田邉が大きくゲイン。決定力のあるWTB李にパスが通れば大きなチャンスになるところだったが、ギリギリのパスをサントリーの選手にカットされ逆襲をくらいトライを奪われてしまいます。
ここからライナーズは、後半15分に成に代えて才田、後半23分にタウファ、大隈、フィリを代えて伊藤・中井・ラトゥイラを投入。本職はFL/NO8ですがバックス経験もあり、7人制の日本代表選手でもあるラトゥイラをバックラインに並べる布陣で最後の追い上げにかかります。
後半25分に再びサントリーにトライを許すものの、32分にその采配が当たります。自陣から積極的にボールを動かすライナーズは、右オープンでセンターの位置に入ったラトゥイラが巧みなランニングスキルでサントリーのデフェンスラインをブレイクし、そのまま70mを走りきりトライを決め19-43。この時点でこの日３トライ。その後もライナーズは勝ち点を獲得するため、攻撃の手を緩めません。
サントリーの固いデフェンスに拒まれながらも李、トンプソン、ラトゥイラ、田中（正）、ギアが再三ラインブレイク。最後は、終了のホーンがなった後、ゴール前中央付近のラックから右オープンに展開し、キャプテンのFB髙が抜けだし、中央にトライ24-43。重光のゴールキックも決まり、26-43でノーサイドとなりました。敗れましたが4トライ以上のボーナスポイント1も獲得しました。
後半は比較的ミスも少なく、持ち前の広くボールを動かすラグビーが出来たが、前半の大量失点が響き、上位進出には痛い１敗となってしまいました。次節は花園でNTTコミュニケーションズを迎え撃ちます。上位進出のためには、負けられない一戦になります、皆様方の熱い応援を宜しくお願いいたします。
